今シーズンのヴィヴィアン・ウエストウッドのキャンペーンは、ベルンハルト・ウィルヘルムによる遊び心溢れるバックドロップやセットを舞台に、ユルゲン・テラーが撮影しました。

日常を超越し、個々の精神の優雅さを映し出すポートレートが広がります。赤い部屋に佇むダイアナ・ヴリーランドの姿にインスピレーションを受け、ジャングルの背景を加えた演出では、ユルゲンが撮影したゴリラの自然生息地の作品を想起させる、“外の世界を室内に取り込む”演出を試みたものです。

スタジオでイブニングドレスをまといながら、自身の肖像を壊すマレーネ・ディートリッヒの華麗な姿も思い起こされます。透け感のあるチュールは、オートクチュール界の偉大な先駆者であるマドレーヌ・ヴィオネへのオマージュとして取り入れられており、鮮やかな赤と紫のカラーリングに、それぞれ独自の寓意が込められています。

「ファッションは、美しさと喜びを通じて人々を結びつけるものであり、現代の世界にとってとても重要な意味をもたらします」
ー アンドレアス・クロンターラー